カブトムシ

思い出
虫苦手なんですよー本当はー

昔、自分が小学校の理科の教科書で見たカブトムシの成長を、実際に子供たちにみせてあげたかったんです。

ただ、よく考えたら虫が苦手だった。

絵も苦手だ。

ね、ほら。確かこんなのだった。

夏になったらホームセンターでカブトムシが売り出しており、子供達がキラキラした目で見ているのを、非常に残念な気持ちで横目で眺め、心で号泣しながらついに腹をくくって、カブトムシカップルを我が家に迎えた。

ようこそいらっしゃいました…

毎日ゼリーをあげたり、土を変えてあげたりしてお世話して、大変可愛がっておりました。

子供達が寝静まった頃、カブトムシさん達は元気に飛び立とうと、羽を広げバリバリと大きな音を立てて飛び回ります…

日中、誰かがお世話してくれたのか、ちょっと見たかったのか、どうやら飼育ケースの蓋がキチンとしまっておらず、力持ちのカブトムシさんはついに脱出成功の道をたどり、夜中、暗い廊下の通り道で休憩しておられる姿を見て、黒い服の何者かと勘違いし、ギャー😱…と叫んだ事でした…

そのカップルも最後の日を迎え、寂しい気持ちで子供達と埋葬して手を合わせて葬儀を済ませ、しばらく飼育ケースはベランダに放置していました。

ふと思い出して、まさか卵があったりするんじゃないだろうか…と、そっと土を掘って見ると、なんということでしょう…たくさん卵がありました…

お母さんがんばったね…

…というわけで今度は次世代のカブトムシ生活が始まりました…

どこかで見たのですが、ペットボトルでカブトムシを育てるという情報を仕入れていたので、土と卵を入れてやってみたところ、理科の本の通りに白いモコモコの幼虫になり、そのうち自分の部屋(蛹室)を作って、じっとしている人を多数見受けられました。

実はその中に、自分で部屋を壊してしまった人がいて、部屋の外で寝ている人がいました。

(もしかしたら、誰かがペットボトル倒して被害者の方だったかもですけどね…)

対処法も分からず、お外で寝ている人をそのままにしていたら、成虫になった際、背中がナミナミの男の子になってしまいました。

しかも間違って小さい500ミリのペットボトルにしてしまっていたため、小さめのカブトムシさん達が生まれました…

ミニチュアカブトムシの完成であります。

なんか違う虫に見えつつも、小さくてもカブトムシなので、子供達は喜びました。

本当は大きな衣類ケースとかの中で育てて、たくさん土を食べさせて、たくさん運動させたほうが大きなカブトムシになるんだろうと思います…

背中がナミナミのカブトムシさんは、他の男子が次々とお星様になっていく中、長生きし、最後は女子に囲まれハーレムでした。

ある日子供が、女の子カブトムシにダニがくっついて弱っているのに気づき、『ママこの子かわいそう!痛そうだから助けてあげて(T_T)』というので、『私も助けてほしい(T_T)』と心で号泣しながら、子供が真剣な眼差しで見守る中手術が始まりました…

ドクターの背筋がゾッとし鳥肌の立つ中、右手に歯ブラシ、左手に女の子カブトムシ、歯ブラシでダニを取ってあげるオペであります。カブトムシが、嫌がって足を動かします…ドクターはゾクゾクします…『お母さんでしょ!しっかりして!頑張って!』とカブトムシに声をかけつつ、自分へのエールでした…

ドクターの精神状態が一刻を争います…

少し楽になったのか、さっきよりは動きが良く、元気になったカブトムシレディーを見ながら、子供が笑顔になりましたとさ…

以上、カブトムシの話でした。

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